【2010年 10月 20日】
「日仏マナーのずれ」4 薮内宏 (イラスト 芦野宏)

手袋
 日本人同士でしたら、握手ではなく、あいさつの動作としてもっぱらお辞儀をするので、手袋を脱ぐべきかどうかで悩むことはありません。フランスでは、車を運転するときとか、仕事で手を保護したり、汚さないために手袋をはめている場合、あるいは寒いとき、握手のために手袋を脱ぐベキかどうか思案することがあります。男性は、車の運転や作業で手袋が汚れている場合でなければ、手袋を手にはめているままで握手しても差し支えありません。ただし、女性と握手する場合、フランス式では、男性は手袋を脱ぎます。
 女性は手袋をはめたまま握手をします。パーティでは、女性の手袋は帽子と同じく、アクセサリーの一種で、ひじまでの長い手袋ですが、屋内では、女性も、防寒用の手袋は脱ぎます。年長の女性との握手でもやはり手袋を脱ぎます。

 今ではありえないことでしょうが、例えば男性が女性を侮辱したとき、その女性に関わりのある男性が片方の手袋を脱いで相手の足元に投げつけ、侮辱をした人がそれを拾えば、
「aller au pre」(野原に行く)すなわち決闘の約束が成立したことになっていたそうです。

 寒くなくても男性が気取るために片手をポケットに入れることがあります。でも、目下でない女性と一緒では、そうしない方をお勧めします。いつか日本の総理大臣がイギリスの女性首相と談笑しているときにそうしていましたのが気になりました。

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