【2013年 01月 10日】
「日仏マナーのずれ」29 薮内宏

パーティーの終了
 日本では、個人宅によばれたとき、話題が無くなったのが一つの目安でしょうが帰宅の頃合いを見計らうのは難しい。その点では、例えば同窓会で先生達を招待したとき、お帰りを願って、後は仲間同士で居たい場合、中締めと言う手段を利用します。招待された側も帰りやすく、なかなか具合が良い。

 欧米には、そのような便法はありません。もっとも、パーティーが終わりだと知らせる方法として、冷たい飲み物が頃合いを見計らって出されることがあります。その後、ホストとホステスが出口の当たりに立ちますので、それが合図になります。帰り際にあいさつして行くのは当然です。

 大きなパーティーでは、ホストやホステスと長々と話し込む困った人がたまにおります。あいさつしたい人が多数いるときには、フランス人が言う「イギリス式に帰る」、すなわち黙って帰るのも、止むを得ないでしょう。後で礼状の中で一言詫びるだけで済みます。

 乗物の都合とか遠方に帰るためにパーティーの最中に止むを得ず早めに帰らなければならない場合があります。その時にはホストかホステスにその理由を事前に言って、そっと帰ります。仰々しくすると、他の客は帰らなければならない時がきたかと錯覚するからです。その場合、ホステスは、他の人達に、まだ時間が早いのでもっと楽しんで下さい、と言ったりします。京都式と違って、これは本音です。

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