【2013年 05月 20日】
「シャンソンとその発音法」 1 薮内宏

La mer

芦野宏さんの出世曲であり、愛唱歌でもあったLa merは、アクセントの掛かる箇所に注意すると、自然に波に揺れるおだやかなリズムを生じます。

「<エ」を日本語の「エ」のように発音すれば、音の深みに欠けることになります。十分に顎を落として発音して下さい。
「r」も響かさせると、歌に厚みがもたらされます。
芦野さんは子音も大切にしておりました。フランス人は、日常会話では、口をあまり開けないので、唇の先で物を言っているような感じがします。歌では、口の開け閉めを十分にしなければ、明瞭な発音になりません。

単語内の強弱
アクセントは、英語と違って、長短ではなく、強弱によります。単語では、発音する最後の音節の母音に掛かります。いわゆる「無音のe」で終っている時、その手前の音節に掛かり、その母音が心持伸びます。結果として、軽いリズムが自然に発生します。歌うとき、この母音の強弱は無視出来ません。ただし、通常、冠詞類や短い接続詞にはアクセントが掛かりません。
La mer qu’on voit danser Le long des golfes clairs 
A des reflets d’argent, la mer、Des reflets changeant sous la pluie
で分かりますように、大体「弱強弱強」の繰り返しからなっています。楽譜に明瞭に現れていませんが、音が伸びていることで特徴付けられています。その母音の音の強さで軽いリズムが生まれています。
この原則が崩れている所は:「ces 」で、意味の強調による場合と考えられます。

La mer
ラ<メr

La mer qu’on voit danser
ラ<メrコンヴアダンセ
踊って(揺れて)いるのが見える海は
Le long des golfes clairs
leロン<デ<ゴlfe<kレr
明るい湾に沿って↑
A des reflets d’argent, la mer
ア<デre<fレダrジャンラ<メr
銀色の照り返しがある(にきらめいている)、海よ
Des reflets changeant sous la pluie
<デre<fレシャンジャンスラplu<e
雨の下で(雨で)変化する照り返し(きらめき)を
La mer au ciel d’été
ラ<メrオ<シエlデテ
海は、夏空で(の下)で
Confond ses blancs moutons
コンフォン<セbランムトン
その白い羊(波)を溶け合わせる
Avec les anges si purs, la mer
ア<ヴェk<レザンjeシピュrラ<メr
非常に(とても)純粋な天使(白い雲)と↑
Bergère d’azur infinie
<ベr<ジェreダジュr<エンフィニ<e
無限の紺色の羊飼いよ
Voyez près des étangs
ヴアイエ<pれ<デゼタン
池のほとりでご覧なさい
Ces grands roseaux mouillés
<セgらン<ろゾムイエ
あの濡れているせいの高い葦を
Voyez ces oiseaux blancs
ヴアイエ<セズアゾbラン
あの白い鳥たちをご覧なさい
Et ces maisons rouillées
エ<セ<メゾンるイエ
そしてあの錆びた(古びた)家々を
La mer les a bercés
ラ<メr<レザ<ベrセ
海はそれらを揺り動かせた(安らかにさせた)
Le long des golfes clairs
<leロン<デ<ゴlfe<kレr
明るい湾に沿って↑
Et d’une chanson d’amour,la mer
エdunシャンソンダムrラ<メr
そして愛の歌で、海は
A bercé mon coeur pour la vie.
ア<ベrセモン<kErプrラヴィ<E
一生のために(いつまでも)私の心を揺り動かせた
(安らかにさせた)。

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